まどか10周年記念イヌカレ―動画の暗示
2021年1月7日『魔法少女まどか☆マギカ』が10周年を迎えた!
いや~めでたい。本当にめでたい。
10周年特設サイトには今のところ(1月13日現在)新情報は出ていないが、これから追加されるのだろうか。楽しみだ。
そして1月8日、まどか☆マギカの主軸の一人イヌカレ―(泥犬)さんが作成した10周年記念ショートムービーが公開された。
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— シャフト (@shaft_official) 2021年1月7日
『魔法少女まどか☆マギカ』
𝐇𝐚𝐩𝐩𝐲 𝟏𝟎𝐭𝐡 𝐀𝐧𝐧𝐢𝐯𝐞𝐫𝐬𝐚𝐫𝐲!
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⛏️映像制作:劇団イヌカレー(泥犬)#魔法少女まどかマギカ pic.twitter.com/OGe9HBbZNV
新映像は含まれていなかったが、さて皆さまはお気づきになっただろうか?
意味深な魔女文字が書かれていることに。
動画の最後の一瞬、魔女文字で「BWV140」と書かれている。
この場面以外に書かれている魔女文字はドイツ語の文として成立しているし、まどか☆マギカTV本編に登場する文と同じだったりするが、この文だけは意味がわからない。
調べてみると、「BWV140」はバッハ作曲のカンタータ第140番『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声(Wachet auf, ruft uns die Stimme)』の曲番号のようである。
まどか☆マギカはドイツの名文学『ファウスト』や『くるみ割り人形』などが題材になっているので、この暗号もドイツ出身のバッハの曲を表している可能性が高いだろう。
ではこの暗号の示す意味とは? いくつか僕の予想を書き散らしておく。
①『まどか☆マギカ』という作品自体が眠りから目覚める=新作制作決定
まずこれが思いつく。「我らに物見が目覚めよと言ってくる」のだから、自虐的な意味も込めて「続編作れって声が多くてしんどかった(´;ω;`)」という意味にとれる。
そして「お待たせしました、目覚めます! 新作です!」ということかもしれない。そうであってほしい。
②ほむらが夢から目覚める
だが、僕はこちらの意味合いの気がしてならない。
叛逆の物語の最後、ほむらはまどかをこの世に連れ戻すが、それはED曲「君の銀の庭」にも歌われている通り、ほむらただ一人が望んだ夢の世界に他ならない。
夢はこの部屋の中で優しい歌をずっと君に歌っていた
何がほんとのことなの
一番強く信じられる世界を追いかけて
夢はその腕の中に優しい人の嘘も嘆きも閉じ込めていた
何か足りない心で
光を纏い飛んで行こう 少女の形をして
終わらない始まりへ ほんとうの終わりへ
叛逆の物語の最後には「Countory of Sweets*1」と「Good Morning」(=「夢の世界」と「朝」)の分かれ道が登場する。
そして「BWV140」で目覚めるのは、目覚めることを拒み夢を見続ける道を選んだほむらかもしれない。
「ほむらが夢から覚める=人間としてのまどかがいなくなる」だから、恐らく続編ではまどかは記憶を取り戻し再び円環の理に還ってしまうのだろう。
ただ、またそれやるの? と思わないでもない。今まで続編が作られなかった理由の一つは「まどかが神になって人間に戻された後、もう話の展開のしようがない」からだと僕は思っている。
神になるの? 人間になるの? の駆け引きはもうやっている。かといってまどか以外の物語を主軸にしては、それは『まどか☆マギカ』ではなくなってしまう。
そこで登場するのがタツヤである。
断言しよう。次の映画で鍵となる人物はタツヤである。
この暗号がタツヤと共に表示されたのは、それを暗示している。
恐らくまどかはタツヤの窮地を救うために円環の理の記憶を取り戻すか、魔法少女となり命を落とす。
これは何も根拠なしに言っているのではない。
タツヤはまど化(まどか概念化)後の世界で、暁美ほむらを除いてただ一人「鹿目まどか」の存在を明確に記憶していた人間である。
タツヤなら悪魔ほむらの記憶操作の影響を打ち破り、本当の記憶を取り戻せるかもしれない。
また、『まどか☆マギカ』の題材となった『ファウスト』では、ファウスト(=ほむら)はヘレナ(=まどか*2)と幸せに暮らすが、二人の息子は冒険のために命を落とし、息子があの世で一人になってしまわないよう、ヘレナも命を落とす。
この物語になぞらえるならば、ほむらとまどかの子供にあたる人物は、考え得る限りタツヤだけだ。まどか達よりも幼い存在は「百江なぎさ」か「鹿目タツヤ」しか登場しておらず、なぎさとほむらの間に深い関係はない。(まあタツヤともないのだが。でもまどかの弟だし、ほむらにとっても大切だろう。たぶん。スピンオフだとタツヤと結婚してる*3し。)
③まどかとほむらが結婚する
色々と喋ってきたが、『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』の曲名に囚われて本意を見失っている可能性もある。もう少し単純に考えてみよう。
そう、この曲は婚礼の祝宴の曲なのである。つまりこれはもうそういうことである。
結婚だ!!!!!!!!!!!まどかとほむらが結婚するんだ!!!!!!!!!!!!!!!
10周年でようやくまどかと一緒になれるんだね…… ほむらちゃん……
良かったね…… よく頑張ったね…… 末永くお幸せに………
いや、これも適当に言っているわけではない。「BWV140」は実は7つの曲から成る。
第1曲 「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」
第2曲 「彼は来る、まことに来る」
第3曲 「いつ来ますや、わが救いのきみ?」
第4曲 「シオンは物見らの歌うの聞けり」
第5曲 「さらばわがもとへ入れ」
第6曲 「わが愛するものはわが属となれり」
第7曲 「グローリアの頌め歌、汝に上がれ」
7つの曲は、花婿の到着を待つ花嫁の視点で神の国の到来を描いており、真夜中に物見らの声を先導として到着したイエスが、待ちこがれる魂との喜ばしい婚姻へと至る様を表現しているらしい。
肝心なのは、第5曲目でイエスは花嫁に「永遠の契り」を宣告することである。
神の国からやってくるイエス=まどか、花嫁=ほむらとすれば、二人は「永遠の契り」を交わすのである。正直なんのことかはわからないが、これが新作のストーリーの骨子になっている可能性は高いと僕は予想する。
個人的にはもうまどかとほむらが幸せそうにしている映像だけでいいのでもうこれ以上ほむらちゃんを苦しめないであげてほしい。頼むから。
まどほむの結婚式を映画化してくれ。
まとめ
ということで
少なくとも新作の作成には期待してもよさそう!!!!!
以上、後に詳細な情報が解禁された時に「僕はとっくにわかっていたけどもね?」とドヤる為に1月13日現在での思考を書き記しておいた。
続報が待ち遠しい。
『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』と『くるみ割り人形』の共通点
『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』には『くるみ割り人形』を想起させる点が数多く存在する。
この事実はある程度知られているのもかかわらず、具体的にどのように『くるみ割り人形』が題材にされているのかについての考察は、公開から7年が経過した2020年においてもあらゆる媒体でほとんどなされていない。
本記事では『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』と『くるみ割り人形』の共通点を明らかにする。そして、この考察を通じてより深く作品世界に浸れることを皆さんにお伝えしたい。
- 『くるみ割り人形』のあらすじ
- 『まどか☆マギカ』との共通点
- 壊れてしまった人形
- 託されたリボン
- 偽街の住人
- 偽街の壁面
- 上空のくるみ
- 梟の時計
- 戸棚のガラス
- 腕の傷
- マリーが救う危機
- ネズミの王の王冠
- 物語の構造分析
- ガラスの向こう側
- ガラスを割って
- 戸棚の外へ
- どこにもいかないで
- 終わりに
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